東京家庭裁判所 昭和43年(家)10191号 審判 1968年10月28日
申立人 多門大介(仮名)
相手方 多門喜子(仮名)
主文
本籍 東京都中野区○町○丁目○○番地筆頭者多門大介の戸籍中同人および妻喜子の身分事項欄中婚姻届出事項、ならびに戸籍事項欄婚姻による戸籍編製事項を消除して本戸籍全部を消除することを許可する。
理由
申立人らは主文同旨の審判を求め、その理由として述べるところの要旨は次のとおりである。申立人らは夫婦として昭和四三年六月二五日事実上の婚姻をなしたのであるが、申立人多門大介の兄である朝明が申立人らの婚姻届出意思を確認することをせず、即日同人らの婚姻届出を了したので申立人ら夫婦につき肩書表示のとおり新戸籍が編製されたものである。
しかるところ、申立人らは上記婚姻届出によつて新戸籍が編製された事実を知らなかつたので、昭和四三年七月二五日中野区役所に対し、更に申立人らの婚姻届出をなしたため、東京都中野区○町○丁目○○番地を本籍として新戸籍が編製され、複本籍の状態が生ずるに至つたので、本戸籍訂正申立に及んだというのである。
よつて当裁判所は審理した結果、申立書の記載申立人ら提出の各疎明資料、申立人審問結果等を綜合すると申立人らの主張は全てこれを認めることができる。
よつて按ずるに本件は戸籍法第一一六条によつて処理するべきを原則と解するのであるが、申立人ら及び利害関係人になんらの異議も認められないので戸籍法第一一四条の規定を適用して主文のとおり審判する次第である。
(家事審判官 野田愛子)